EXBeaconとは
IoT-LAN「EXBeaconプラットフォーム」を構成する「EXBeacon」は、従来ビーコンと同様に「1:m通信」のアドバータイズ信号を発信するだけでなく、 双方向の「m:m通信」や「1:1通信」を行うなど多彩な実用機能を持つ次世代ビーコンです。主たる機能が「m:m通信」であり、これにより大規模なネットワークを形成することを考えると、もはやビーコンという名称は正しくないのかもしれません。
EXBeaconを適切に配置すると独自のm:m通信機能によって相互通信を行い、プラットフォーム(フラッド型メッシュネットワーク)を構築します。このプラットフォームを建物施設空間に導入することで、空間内の人やモノの動きや状態、センサーから得られる様々な情報を収集する新しいインフラになります。
WHERE mesh
WHERE社が独自開発したメッシュネットワーク。CSR meshやBluetooth meshと同様に、フラッド(flood)型メッシュネットワーク技術によるパケット伝送方式を採用し、端末数が多くても、頻度が高くても、切断し難い多端末間通信を実現します。
フラッド型メッシュネットワーク
伝送経路を決めず、パケットを洪水(flood)にして伝送、簡単に数千ノードに拡張可能なIoT(モノ)用の新しいインターネット。電波が途切れても別ルートを迂回する冗長性、置けばつながる設置自由度の高さ、管理の容易さなどが特徴。
WHERE meshでは、meshパケットを各ノードが次々と転送していくリレー(中継)方式を採用し、数多くのノードが同時参加しても切れにくい「フラッド型」を実現しています。また、BLEのアドバタイズパケット送信を使ったコネクトレス通信を利用することで、シンプルで大規模なネットワークを比較的簡単に構築します。「フラッド型」は放置すればmeshパケットの洪水になるおそれがありますが、パケット中継制御(TTL)や再送防止機能などを用いて安定した網秩序を作っています。
Wi-Fi等との干渉について
使用帯域はWi-Fiと同じISMバンド(2.4GHz帯)。
BLEアドバタイズチャネル3チャンネル(37,38,39ch)を「周波数ホッピング技術」で順番に切替えながら同じパケットを伝送します。1チャンネルが妨害されても他は生残り、さらに再送機能を用いて干渉に強いネットワークを構築します。
WHERE mesh機能一覧
1. mesh基本機能
- フラッド型メッシュネットワーク(リレー方式によるパケット転送)
- BLEアドバタイズ送信によるコネクトレス通信
- 1ネットワーク毎に最大65,536デバイス使用可能
- TTLによるパケット転送抑止
- 再送防止キャッシュによる多重パケット転送抑止
- 最大12バイトのpayloadサイズ (AdvertiseLengthExtentionで最大192バイトまで拡張可能)
2. mesh拡張機能
<複数meshネットワークサポート>
暗号化キーの異なる複数のネットワークに一つのノードを同時参加させることができます。
各ネットワークは互いに影響されることなく通信が可能です。
<リレー経路計測>
専用meshパケットがリレーしてきた経路情報を最大6ホップ分計測することが可能です。
経路情報を使ってリレー負荷等を検証することが可能です。
<受信強度によるリレー抑止>
受信強度が一定以上ある(一点測位で位置が特定できる)場合、meshパケットのリレーを抑止します。
無駄なリレーを行わないのでネットワーク不要な冗長化を抑制できます。
3. 主なセキュリティ機能
- GATT接続によるmeshネットワーク登録(EXBeacon(ノード)側のみ)
- 128bitAES暗号によるパケット暗号化
- CMACによるメッセージ認証(32bit)
- 非暗号化パケットサポート
通信規格
IoT用の通信規格は従来と異なり、100kbps程度の帯域を使用します。その中でもWHERE meshは1~数100mのレンジ、つまり建物施設内をカバーする新しいIoT専用の通信規格です。